車の事故は誰でも避けたいものです。しかし、万が一事故を起こしてしまった場合は車を修理して乗り続けるのか、処分してしまうのかをすぐに決めなくてはいけません。どちらがお金がかかるのか、気になる方も多いでしょう。ここでは費用の面で比較していきます。

そもそも事故車とは何か？

事故を起こしてしまったからといって、その車が「事故車」として扱われるかは別の問題です。正確には「修復歴」として扱われるかどうかが問題になり、修理か処分するかの判断にも影響してきます。修復歴については、日本自動車査定協会などの統一の基準が定められています。それはフレームやピラーなど9ヶ所の骨格にあたる部位（ボディ）を修正・交換したかどうかが判断基準になります。これは査定にも大きく影響してくるので、きちんと知識を整理しておく必要があります。ルーフパネルのへこみを直した場合も修復歴になるので注意が必要です。逆に、フロントフェンダーやフロントバンパーなどををぶつけて交換しても、骨格の部分に影響がなければ修復歴にはならないのです。
このように損傷した部位によって今後の車の価値は大きく左右されます。

修理の場合は

次のポイントは修理か処分のどちらが費用面で有利なのかです。修理の場合は保険を使って修理するのか、自費で直すのかの二つの方法が考えられます。手厚い車両保険に加入していたとしても、保険を使うことで等級が下がり今後の保険料が上がってしまう可能性があります。その場合は、修理した後に3年乗ると仮定するなど、期間を決めて計算すると良いでしょう。修理代が数万円程度であれば自費で修理した場合が有利なケースがほとんどですし、修理費が高額であれば保険を使用した方が有利な場合が多くあります。しかし、修理した部位によって修復歴車になってしまう場合は、3年後に査定に出した場合は値段がつかない可能性も出てきます。
「修理費」の問題は加入している保険によって変わってきますので、必ず保険会社に計算してもらいましょう。一方、「修復歴」の問題についても別に自分で整理しておく必要があります。

処分の場合は

修理しても「修復歴車」として将来の下取り額が期待できない場合は、いっそ修理しないで処分してしまう方法もあります。いくら保険や自費で高額な修理費を費やしたとしても、修復歴車はディーラーや中古車販売店での下取り額はゼロ円であるケースが多くあります。それどころか、逆に廃車手数料を取られてしまうことさえあります。ディーラーなどは、下取りした車をオークションや直接中古車として販売するため、修復歴車を扱いたがらないためです。
しかし、こういった修復歴車を専門に扱っている買取業者も多くあります。中古部品やリビルト品として部品を市場に流通させたり、鉄やアルミをリサイクル素材として利用できるノウハウを持った許認可のある廃車工場を持つ業者です。ディーラーなどでは廃棄処分の対象でしかない修復歴車も、こういった専門の業者は車の本当の価値を評価してくれるのです。まずはネットで査定を依頼してみるのがおすすめです。